オッカムの剃刀

 

 

中世の神学者が命がけで提唱し、地動説、進化論、量子力学など、さまざまな科学革命を可能にした“思考の道具”の物語。

 

サトシ

なるほど、そんなに簡単なものじゃないんだ。

リカ

そうよ。

サトシ

でも、そうすると、

リカ

そうすると?

サトシ

うん。

リカ

そうそう、

サトシ

できるだけ削ぎ落とす。

リカ

削ぎ落す?

サトシ

そう。削ぎ落すと言うか、

付け足さない。

リカ

・・・

サトシ

公式には、不必要な事柄を付け足さない。

リカ

何よ。突然に、公式って

サトシ

だから、シンプル イズ ベスト って事。

リカ

そうよね。

ものごと余計な事は煩わしいばかりで

良いことは何もないものね。

サトシ

そうだよ。男女の仲もシンプルが一番。

リカ

そう?

サトシ

そうだよ。好きか嫌いかそれだけ。

余計なものは一切不要。

リカ

・・・

サトシ

なんだよ、それ以外何かあるかい?

リカ

でも、好きになれば嫌いになるよ。

サトシ

どういう事?

リカ

そういう事よ

サトシ

どう言うこと?

 

ソビエトはどこへ行った

 

久しぶりに掘り出して読む。

スピリタスの回、コレは1999年出版だけれど再編集文庫版。初掲載はソ連崩壊前なのだろう。当時はソビエトと聞けば何かきな臭くて東西冷戦や紛争が思い浮かんだものだけれど、今となって見ればすごく牧歌的な呑気なイメージが湧く。ネットもなくて情報も新聞やテレビだけだったけれど、それだからこそ情報がすっきりして返って実際の状況が大雑把には正確に伝わっていたのかもしれない。